独自の技術

同じ製品を生産し販売しているとしても全部が全部まるっきり同じ手法である事は無いはずである。
それぞれのノウハウはその企業独自の技術であり他の企業に適用出来るのではと思われてしまうのであるが実際はそう簡単にはいかないのである。
例えての話として全然CADシステムとは関係の無い物である、食べる「せんべい」を考えてみよう。(せんべい屋さん事例に上げてごめんなさい)
全国どこのコンビニでも購入出来るような商品展開をしている○○製菓の生産する「せんべい」と、街中にある昔ながらの店頭での製造・販売店で頑固親父(失礼)が網の上で焼いている「せんべい」の生産とは大きくそのプロセスが違うのである。
○○製菓の製品であれば巨大な生産設備を用いて大量に生産することが出来、しかもその品質管理においては一定を保つ事を主眼に置いた上でのおいしい商品になっているはずである。
それに対して小売店で生産されているのは一日の絶対量には限度があるわけだが、その日の気候などに合わせ「おいしい!」といえる様な焼き方に工夫をする品質管理をすることができる(と思う)。
また○○製菓と××食品で行われている生産方法についてはそれぞれ独自の手法が取られているはずであり、◇◇せんべい店と△△お菓子店でも同様に独自の工夫がなされているはずである。
これについてはそれらの中間位置に存在しているのであろう地域特産の「せんべい」生産者でもそれぞれが工夫をし大きく異なっているであろう。
このようにそれぞれの生産業者は各自のノウハウを含み各自の生産設備の工夫をした上で生産計画をし展開をしているはずである。
そしてその技術はというと有形な物もあれば無形な物もあり千差万別で「これが正解!」や「これがベスト!」とはいかないはずである。
小売店の手法をそのまま大手が用いても作業限界はあるわけで生産能力が追いつかないであろうし、大手の手法を小売店が用いると余剰設備となる部分で大きな損失に繋がり、また各店の特徴を押し出せなくなってしまう。
それぞれの企業がオリジナルであり独自となる受注から納入までの一環管理体制を組み上げ、製品開発の進捗状況をそれぞれの部隊が確認し、管理するように出来れば大きな効率化が図れるのではないだろうか。
製品の開発ストーリーを改変しようとしている企業において時々聞く言葉なのであるが「よそで成功した事例を持ってきてください」と依頼されてしまうことがある。
機密保持の関係でそのまま資料公開する事は出来ないので概略の説明をすると大体において先行導入の企業が分かるらしい。
色々と質問をされ評価をされた上で、あげくのはてに「○○社さんの事例は当社には当てはまるはずが無い!」と言い出される事がある。
やはり他社事例を参考にすると部分的には効果はありそうなのだが全体としての効果は少ないものになってしまうだろう。
自社にマッチした独自の技術を元にしそれぞれを連携させる事の出来るようなシステムを構築して頂きたいものである。

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