ワンオフ製品での3D−CAD利用
ワンオフ製品(一品のみの製作)の開発の場合において3D−CADが必要かどうかを考えてみる。
答えから言えば必要である「但し状況に応じて」といった断り書きがある。
その状況とは「極限の設計検討が必要でありまた決して後戻りが出来ない場合」となる。
一例として、宇宙空間において宇宙飛行士が宇宙遊泳をする、そのときに宇宙船の外部に宇宙飛行士がつかまるための取っ手を取付ける位置の検討をする、といったケースを考えてみよう。
宇宙船本体の設計としては極力取っ手の数は少なくしたくなる、しかしながら遊泳者の作業性を考えると取っ手の数は多い方が良い事になる。
そこで必要最低限での取っ手取付け位置の検討をすることになる分けである。
3D−CADを用いた場合、人間工学で人の手の伸ばせる限界や宇宙船そのものの流体力学といった部分迄をも含み実作業を視覚的に確認することが出来るような検討作業が可能になるであろう。
またレーシングカーなど開発においても同様である。
ベスト設計をしたつもりであっても複数の評価要件が存在しそれぞれが絡み合う、そしてそれのバランスによって勝敗が決定される。
限界を追求しそれぞれの限界性能がその製品の評価に繋がる場合、極限設計が存在する(要求される)訳であり、やり直しが許されない状況おいて3D−CADを用いる優位性は期待出来るであろう。
また上記の様な製品でなくても製品のさらなる性能向上を模索したり、製品製作の前段階でのバーチャルシミュレーションなどによる性能予測が出来るなど3D−CADを使う事によるメリットはあるのではないだろうか。
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