手書き(検討台・ドラフター上)による作業展開

これは従来からのいろいろな製品開発において用いられている方法であり、いまさらながら話をするまでも無いが、エンジニアとしての第一歩として知識を持っていても良いであろう。
検討台あるいはドラフター上にてフィルム紙等に手書きにて3面図で検討(状況によっては断面図も)を展開して作業を進めるというものである。
基本的にはエンジニアひとりでの作業となる。
複数部品を検討する場合、部品(断面、アウトラインなど)に着色をしたり状況によってはフィルム紙の裏を使ったりしていく。
また複数人での検討をしなければならない場合、基本検討をひとりがある程度進めてFIXさせ、その状態で二次原紙などを作成し、その後複数人で詳細検討に入るといった方法がとられる。
派生製品がある場合も同様であり、基本検討が終わった状態で二次原紙を作成し検討作業の開始、あるいは初期製品の検討終了後に二次原紙を作成し、変更部分のみを削除し再検討を実施する。
後日、マイナー変更を施す場合も同様で、二次原紙を作成し変更箇所を削除した上で検討作業に入る。
いずれにしても技術的な知識としては図学分野においては必須であり、生産技術・製造技術の分野においても高度な知識を必要とされる。(逆を言えばその検討者がその会社の技術革新の部分迄をも担っていると言える)
利点としては、間接費用が非常に少なく(消耗品は紙と鉛筆程度)電灯代くらいで、作業者の体力勝負とはなってしまうのだが「24時間いつでもどこでも」といった事も可能である。
欠点としては、あくまで断面検討となる為に相手部品とのクリアランスなどのチェックにおいてエンジニアの経験値が物を言いヒューマンエラーが有り得、主に時間的都合により限界設計とはなりにくくなってしまう。
また、フィレット(丸み付け)なども後工程との連携によっては意図した形状と異なってしまうケースもある。
作業スペースとしては検討品の紙が広げられるだけのスペースが必要(2Aの検討用紙であればそれだけ必要)。
乱暴な話ではあるが複数人で同時に一枚の検討用紙に向かい作業を進める事も可能ではある。
検討完了した情報の保管については原紙保管&マイクロフィルムとなる。
出図形態としては図面用紙に検討図の必要部分をなぞる等により図面化してでの出図となる。

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